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神聖ローラ王国  2

6KB  エロなし

マルコ……男 17 魔術師
シオン……男 17 剣士
ハンス……男 10? 魔族
ニーナ……女 35 神聖ローラ王国の王
ダミアン……男 24 ニーナの息子 第一王子
カリーヌ……女 21 マルコの姉
コレット……女 14 シオンの妹
セシル……女 25 ニーナの娘 第一王女
ミレーヌ……男 17 ニーナの息子 第二王子
レオナール……男 25 ダミアンの側近
リゼット……女 19 ニーナの娘 第二王女 マルコの恋人
ステファーヌ……男 ? レオナールの部下
ゾエ……同上
デジレ……同上
ドニ……同上
バルバラ……女 20? 魔族
ビクトル……男 28 マルコの師匠
ブレーズ……男 47 シオンの師匠
マリユス……男 65 ファーン帝国の皇帝
メラニー……男 17 シオン・マルコの友人
ラシェル……男 19 マルコ・マルコの友人 マルコが好き
ルイゾン……男 43 大臣
ロロット……女 22 ルイゾンの娘



音もなく襲いかかって来たモンスターを、シオンはあっさりと斬り捨てた。
奇襲にパニック状態の仲間を叱咤しながら、次々に斬っていく。
恐ろしく強い。
敵じゃなくて良かったと心の底から思う。
モンスターの血で赤く染まったシオンが叫んだ。

「散れ!」

シオンの命令と同時に、モンスターからラシェルたちが離れる。
そこに僕の魔法が炸裂した。

ドコオオンッ!

巨大な火球がモンスターを飲みこみ、灰にかえる。
モンスターが全滅したのを確認すると、ようやくシオンは険しい顔を崩した。

「相変わらずトンでもない威力だな。どうして下級魔術師なんだろうな? 上の連中は何を考えてるんだか」
「まだ17なんだから仕方ないよ」

自分の事のように愚痴をこぼすシオンに、苦笑いしながら答える。
確かに僕の魔力は王国一と言われるくらい強力だ。
幼いころから戦場に出ているから功績も多い。
だけど年齢が年齢だし、出身階級はお世辞にも高いとは言えない。
女王陛下に顔を覚えてもらっていることで満足しないと。

「無駄にトシを重ねただけの無能はタチが悪いな」
「……シオン。もうちょっと言葉に気をつけた方が……」

家柄が凄いんだから、こんなに口が悪くなかったら、いくらでも出世できるのに。
これだから遠慮なく付き合えるんだけど。
同い年とは思えないくらい身体つきは立派だけど、精神年齢は絶対に僕の方が上と思う。

「いつまでも先生に迷惑をかけるのは」
「待て」

シオンが小さいけれど強い声で、僕の言葉を止める。
その表情を見た僕は、急いで探査の魔法を使った。
その結果に慄然とする。
四方に無数の魔物。
自然に発生したとは、とても考えられないほどの数だった。

「召喚か?」
「たぶん……」

召喚魔法で呼び出した魔物だろう。
だけど疑問がある。
召喚魔法で呼び出せるのは普通1体。
これだけモンスターを召喚するには、何百人もの魔術師が必要だ。
それなのに、この近くにいる魔術師は。

「来るぞ」

シオンの声に、呪文の詠唱を始める。
詮索は後。
今はこの包囲を破る事だけを考えないと。

「ギャアアアアッ!」

雷をまとわせたロッドで一撃すると、モンスターは絶叫しながら崩れ落ちた。
モンスターの大群に襲われてから数十分。
僕たちはモンスターと戦っているうちに、いつしかバラバラになってしまっていた。
最初は円陣を組んで戦っていたんだけど。

「魔法だけでなく棒術も使えるのか。凄いね」
「!?」

いきなり背後から聞こえた声に、僕は反射的にロッドを振った。
強力な雷をまとったロッドは、大抵のモンスターを一撃で灰にする。
でも。

「話しかけただけで攻撃するとは乱暴だね」
「なっ……!?」

平然とロッドを受け止められた以上に驚いたのは、相手から感じる瘴気だった。
僕より年下……10歳くらいの少年にしか見えない。
だけどその瘴気は、明らかに魔族のものだった。
それも高位。
魔族と戦ったことは何度もあるけど、これだけ強烈な瘴気は初めてだった。

(シオンと2人がかりなら倒せるかな……?)

1対1なら絶対に勝てない。
考えなくても分かる。
時間稼ぎが精一杯。

「はじめまして。僕はハンス。アナタとは長い付き合いになりそうだ」
「何が目的で僕たちを襲ったんだ?」
「色々あるから一言で言えないよ。そうだね……これに勝ったら教えてあげる♪」

そう言ってハンスは触手の化け物――樹齢数百年の巨木のような大きさ――を召喚した。
呪文詠唱ぬきで、これほど強大な魔物を召喚するなんて。
極めて非常識な魔力に、恐怖を通り越して笑ってしまう。
最初から全力で飛ばさないと秒殺される!

「これはテンタクルスっていう魔物だよ。こいつは」
「やああああああああっ!」
「え?」

ハンスの間の抜けた声と同時に、魔物が大爆発を起こす。
一気に間合いを詰めた僕の魔法が、内部で炸裂したからだ。
次の魔法を使うための呪文詠唱を始めた僕に、テンタクルスの触手が襲いかかる。
数はハンパじゃないけどスピードは大して速くない。
これなら……!

「えっ……!?」
「人の話は最後まで聞かないとダメだよ? これは回復力が馬鹿みたいに高い。それを頭に入れて戦わないと負けるだろうね♪」
「くっ……!」

驚いて中断してしまった呪文詠唱を再開する。
回復力の高い魔物とは何度も戦った事がある。
だけどコレは異常だ。
さっき魔法で吹き飛ばした部分が、ほとんど治りかけている。
普通の魔法だと使うだけ無駄に違いない。

(アレを使うしか、ないな)

絶大な威力を誇る代わりに魔力の消費量が多く、1日に2回しか使えない魔法。
できれば使いたくなかった。
だけどコレ以外に、こいつを一撃で消し飛ばせるような魔法は持っていない。

(こいつを倒した後ハンスをどう倒すか……は、こいつを倒してから考える!)

覚悟を決めて呪文詠唱を始める。
そのとき触手の1本が身体にかすった。
気にせず呪文詠唱を続ける。
今度は2本かすった。
……おかしい。

(さっきより早くなってる……?)

1つ1つの触手に込められた魔力も強くなっている。
直撃すれば、障壁の上からでもダメージを受けそうだ。
今まで以上に集中して、触手の嵐をかわし続ける。

「魔術師とは思えない体術だね。並の剣士が相手なら、魔法を使わずに倒せるんじゃない?」

ハンスの言葉を無視して呪文詠唱を続け、魔法を完成させ、解き放つ。

ゴアアアアアアアアアアアアッ!!!

何百もの雷の雨が、テンタクルスに降り注ぐ。
再生を上回る速度で、その巨体を瞬く間に削り取っていく。
倒せる。
そう思った瞬間、僕の足元が崩れた。

「しまっ……ぐふっ!」

地中から飛び出してきた触手は、槍のように僕の腹に突き刺さった。
障壁がなかったら間違いなく致命傷。
障壁があったから致命傷にはならなかったけど、骨が何本か折れた。
別の触手が僕の体に巻きつく。
骨にヒビが入るくらい強く締めつけられ、全く動けない。
状況を打開しようと呪文詠唱を始めた口には、太い触手が入ってきて、呼吸するのがやっとになってしまう。

「ん゛ん゛っ……ぐ――……んぶっ!?」

口に入っていた触手が不気味に痙攣したかと思うと、粘液を大量に吐き出した。
飲んだらマズイ!
これを飲んだ後どうなるかは、予想するのが馬鹿げているくらい明らかだ。
何とか飲まずに耐えようとガマンするけれど、それに気づいているのか気づいていないのか、触手は延々と粘液を吐き出しつづ

ける。
このままだと窒息してしまう。

ゴク……ゴクゴク……ゴクゴク……

窒息死するよりは嬲られる方がマシ。
そう思ってあきらめて飲む。
思った通り身体が急速に熱くなっていく。

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