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魔法戦士ジブリール

大見英樹……魔法戦士ジブリール  14歳
大見直樹……健一の弟  12歳
大見麗子……健一の母  33歳
神野和彦……魔法戦士育成機関の一員  25歳
黒須哲也……魔法戦士エスカレイヤー  17歳

デスパイア……ある日いきなり現れた化け物の総称
ゆらぎ……デスパイアの力で化け物になった人間
魔法戦士……科学力では倒せないデスパイアを唯一倒せる存在 



麗子「英樹を魔法戦士に、ですか……?」
和彦「はい」
麗子「英樹は14歳です。早すぎませんか?」
和彦「確かに早いですが、早すぎるということはありません。最年少の魔法戦士は11歳です」
麗子「……そうですか。英樹、覚悟はできてるのね?」



英樹「うん」
麗子「後で『こんなに辛いのは嫌だから帰る』なんて言っても無理なのよ? デスパイアを滅ぼすまでは戦いつづけなくちゃいけないわ。わかってる?」
英樹「うん」
麗子「……そう。わかりました。英樹をお願いします」
和彦「ありがとうございます」



直樹「お兄ちゃん……」
英樹「直樹。母さんを頼む」
直樹「……うん……」
英樹「泣くなよ。男だろ」
直樹「……うん……」



麗子「いつから行かせたら……」
和彦「できれば今日、わたしが帰るときに同行してくれると助かります」
麗子「きょ、今日ですか?」
和彦「はい。一刻も早く魔法戦士として戦えるようになってもらわないと……」
麗子「……それほど状況が酷いんですか? 報道では好転しつつある、みたいなことを言ってたと思いますけど……」



和彦「報道は半分以上が嘘と言っても過言ではありません」
麗子「………………」
和彦「ここみたいな都市部はマシですが、地方は相当やばい状況ですね。ありのままに伝えるとパニックが発生しかねません」
麗子「……そんなに……」
和彦「でなければ中学生や小学生を戦わせませんよ」



麗子「英樹。すぐに行く?」
英樹「うん」
麗子「……わかったわ。準備をするので少し待ってください」
和彦「はい」
直樹「……お兄ちゃん……」



英樹「いつまで泣いてるんだよ」
直樹「……お兄ちゃん……死なないでね……。お兄ちゃんまで死んだら……僕……僕……!」
英樹「縁起でもないことを言わないでくれよ」
直樹「だって……お父さんやお姉ちゃんみたいに……お兄ちゃんが死んだら……」
英樹「……絶対に死なないとは約束できないよ。そんなに僕は強くないし、敵は弱くないだろうし。だけど死なないように努力する。石にかじりついてでも生き残る気でやる。だからお前も強くなれ」



直樹「強く……?」
英樹「ああ。もちろんデスパイアを倒せるくらい強くなれとは言わない。デスパイアを前にしても脅えないくらい――自分の命を守って、余裕があったら隣の人も守れるくらい」
直樹「……うん。がんばる……」
英樹「帰ってきたときに弱いままだったら殴るからな?」
直樹「……うん」



数時間後
英樹「じ、じぶりーる?」
和彦「魔法戦士ジブリール。これが君の名称です。覚えてください」
哲也「カッコイイ名前じゃねえか。良かったな、英樹」
英樹「……は……はい……」
哲也「身体が熱くなってきたか?」



英樹「……す……少し……あ゛っ!?」
哲也「少しじゃないだろ。ズボンの上から分かるくらい、チンコ大きくしやがって」
英樹「や、やめてくださいっ! あ゛あ゛っ……!」
哲也「抵抗すんな。魔法戦士になりたいんだろ?」
英樹「……は、はい」



哲也「抵抗する気持ちも十二分に理解できるけどな。生まれて初めてセックスする相手が男! オレなら迷わず帰ってるね」
英樹「……ぼ……僕は帰りません……。絶対に魔法戦士になって……デスパイアを……う゛っ! う゛う゛っ……!」
哲也「セックスしないと魔法を使えないとか、ふざけてるよな。初めて聞いたとき反射的に殴っちまったよ」
英樹「あ゛あ゛あ゛っ! ぼ、僕っ! もう……ダメですっ! 出るっ! 出るぅっ……!」 ビュルビュルビュル……
哲也「おお」



英樹「はぁっ! はぁっ! はぁっ!」
哲也「初めての射精はどうだった? 頭の中、真っ白になったか?」
英樹「はぁっ! はぁっ! はぁっ!」
哲也「聞いてねえな」
和彦「哲也。一緒にフロに入ってこい」



哲也「フロか。いいな。よし、行こうぜ」
英樹「……はぁっ……はぁっ……はぁっ……! は……はい……」
和彦「やりすぎるなよ。明日から訓練なんだからな」
哲也「わかってるよ。おい、さっさと行くぞ」
英樹「……ひ、引っ張らないでください……」



風呂場
英樹「す、すっごく広いですね……」
哲也「30人が1度に入れるらしいな。湯加減はどうだ?」
英樹「いいです。ありがとうございます。……あの、聞きたい事があるんですけど、いいですか?」
哲也「何だ?」
英樹「和彦さんってどういう方なんですか?」



哲也「どういうって……最初に説明されただろ?」
英樹「そ、そうなんですけど、いまいち分からなくて……。偉い人と友達みたいに話してたり、僕なんかに敬語を使ったり……」
哲也「あいつは何でも屋だ」
英樹「何でも屋」
哲也「ここ、すげえ人材不足なんだよ。中学生のお前をスカウトしたり、その相手にオレなんかを選んでる時点で気づいてると思うが」



英樹「は、はあ」
哲也「だから何でも一通りできる和彦みたいな人間はメチャクチャありがたい存在なんだ。お前の言う『偉い人』なんて和彦がいなかったら何もできねえよ」
英樹「そうなんですか……。でも、そんなにスゴイ人が何で僕に敬語を……?」
哲也「そりゃただの性格だ」
英樹「性格ですか?」



哲也「昔っからの癖らしい。年下だろうが部下だろうが敬語を使っちまう。何度か直そうとしたらしいが、いつの間にか敬語に戻っちまう。今では完全にあきらめてるな。あいつが敬語を使わないのはオレくらいだ」
英樹「どうして哲也さんには敬語を使わないんでしょうか?」
哲也「オレに殴られたくないからだろ」
英樹「……は?」
哲也「何度も敬語を使うなって言ったのに、敬語を使って話しかけてくるのにムカついて、1度ぶん殴った事があるんだよ」
英樹「ええっ……!?」
哲也「その後は敬語ほとんど使わなくなったな」

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