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珠晶「あたしたち……もう終わりにしましょう」

3KB  十二国記

珠晶「あたしたち……もう終わりにしましょう」
利広「どうしたんだい、急に? 他にイイ男でも?」
珠晶「違うわよっ! そうじゃなくて……これ以上は……」
利広「誰かに何か言われた?」
珠晶「言われてない」
利広「それじゃどうして?」
珠晶「……あたしは王なの」
利広「え?」



珠晶「あたしは供王なのよ」
利広「だから?」
珠晶「……このまま利広との関係を続けると、王じゃなくなるような気がするの」
利広「何だ。そんな理由か」
珠晶「そんな理由って……!」
利広「珠晶に告白したときの私の言葉を忘れたのかい?」
珠晶「……『たとえ国を2つ潰す事になっても』だったかしら?」
利広「覚えているじゃないか」



珠晶「……あたしの言葉は覚えている?」
利広「確か『利広を殺してでも潰させない』じゃなかったっけ?」
珠晶「……そうよ。あのときは、まだ、あたしも理性が残ってた……」
利広「珠晶?」
珠晶「……最近のあたしはね。政務に没頭しないと駄目なときまで利広のことを考えて、毎晩必ず自慰で何度も達してから寝るのよ。もちろん利広のことを考えながらね」
利広「光栄だね」
珠晶「……こんな『女』が王にふさわしいわけ無いじゃない」



利広「だから私と別れるのかい?」
珠晶「ええ」
利広「別れられるのかい?」
珠晶「………………」
利広「無理だよ。もう、珠晶は私から離れられない。そうなるように調教しつづけたからね」
珠晶「……調教……」
利広「ああ。昔の珠晶が見たら唖然とするほどの事も、今の珠晶は易々と行うだろう? 今さら昔の珠晶に戻るのは不可能だよ。たとえ表面上は戻っても中身は戻らない。それは自分でも理解しているはずだ」



珠晶「……だけど、あたしが今のままだと、恭は確実に滅ぶわ」
利広「滅べばイイじゃないか」
珠晶「~~~~~~!」
利広「にらまないでくれ。私にとっては恭の命運より珠晶1人の方が遥かに重要なんだ」
珠晶「……あたしは恭が滅べば死ぬのよ?」
利広「それまでは私が独占できる」
珠晶「……遠くから見て満足するっていう選択肢はないの?」
利広「そんなので満足するほど私が無欲な人間だと思うのかい?」



珠晶「……そうよね。あたしが絶対に嫌だと言っても見たいものは見て、やりたい事はやってきたものね」
利広「ああ。浣腸、ロウソク、鞭……獣姦もやったね」
珠晶「……妖獣と性交なんて、想像した事もなかったわ」
利広「珠晶も悦んでいたじゃないか。脱糞しながら達して、鞭で打たれて昇りつめて、妖獣に犯されながら果てて……。あんな事をされて悦ぶ珠晶も、わたしと同じくらい異常と思うよ」
珠晶「……そうね。娼婦の素質があると思うわ、あたし」
利広「珠晶が娼婦として働いている店があったら毎日のように通うだろうな」
珠晶「……そう」



利広「どうしても私と別れるつもりかい?」
珠晶「……ええ」
利広「わたしの上で、わたしのモノをくわえて、色情狂のように腰を振りまくっていた女が、やり直せると思うのかい?」
珠晶「……やり直せない可能性の方が高いのは分かってる。だけど挑戦するの。あたしは王だから」
利広「そう。わかったよ。明日から1年は来ない」
珠晶「……ごめんなさい」
利広「いいよ。1年後には1年ぶんの調教ができるんだから。今から楽しみだよ」
珠晶「……あたしは変わるわ。変わってみせる」



利広「我慢できなくなったら供麒に頼むといい。狂喜乱舞して手伝ってくれるよ」
珠晶「……供麒がそんなこと……」
利広「いくら仁の生き物でも獣だよ? そういう欲望がないと思う方がおかしい。実際どの国の麒麟も相手がいるしね」
珠晶「……そ、そうなの?」
利広「ああ。ちなみに宗麟の相手は兄さんだよ」
珠晶「……英清君が……」
利広「いつもは淑やかな彼女が上げる甲高い嬌声は何回聞いてもイイものだ」
珠晶「……え? 利広、あなた……」
利広「何回か交わった事がある。嫉妬した?」
珠晶「……し、してないわよ」

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