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みくる「禁則事項です」

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キョン「鶴屋さんと付き合うことになった」
古泉「……そうですか」
キョン「驚かないのか?」
古泉「あなたと鶴屋さんは一ヶ月ほど前から両思いでした。それを気づいていなかったのは、あなたと鶴屋さんの二人だけです」
キョン「……そんなに分かりやすかったか?」
古泉「ええ。一目瞭然でした。しかし……」
キョン「しかし?」
古泉「何と言えばいいのか分かりませんでした。応援するべきか、邪魔するべきか」
キョン「……ハルヒか」
古泉「馬鹿なことを聞きますが、怒らないでください。……鶴屋さんと別れて涼宮さんと付き合いませんか?」



キョン「そんなこと出来るわけ無いだろ? 鶴屋さんに告白したのは一昨日で、OKもらったのは昨日だぞ」
古泉「………………」
キョン「それに俺は、そういう目でハルヒを見たことは無い。恋愛感情のレの字も無い状態で付き合っても上手く行くはず無いだろ」
古泉「……そうですね」
キョン「機関の連中は何て言ってるんだ?」
古泉「あなたの感情を尊重しようという意見は皆無ですね。非常手段も取りかねない空気です」
キョン「非常手段?」
古泉「拉致監禁、脅迫です」
キョン「古泉、お前……!」
古泉「落ち着いてください。そんな命令が来たら僕は迷わず貴方に連絡します」



二ヵ月後。
キョン「あのときの言葉、覚えてるか?」
古泉「覚えてます」
キョン「……お前じゃないみたいだな」
古泉「信じてくれるんですか?」
キョン「ああ……」
古泉「機関の大多数が鶴屋さんを捜索しています。きっと見つかります」
キョン「見つかるだろうな。見つかるだろうけど、五体満足で見つかるとは限らない」
古泉「長門さんは?」
キョン「ハルヒが誘拐されたわけじゃないから動かない――動けないらしい。あいつが動いてくれると百人力なんだが……」
古泉「朝比奈さんは?」



キョン「朝比奈さんには知らせていない。ミイラ取りがミイラになりかねないからな」
~~~~~~♪
キョン「!」
古泉「はい、もしもし! 古泉です!」
森『古泉。鶴屋さんを保護したわ」
古泉「本当ですか!?」
森『ええ。命には別状ないけど衰弱が激しいわ。○○病院に向かうから彼を連れてきて」
古泉「わかりました。あの……」
キョン「ああ……悪い。案内してくれるか?」
古泉「はい」
キョン「朝比奈さんにも連絡しておくか」



病院。
森「複数の男に何時間にもわたり何十回も犯されたみたい。お尻、性器、口、乳房……さまざまな場所に無数の傷があるわ」
古泉「そんな……!」
キョン「………………」
森「肉体の傷も相当だけど、心の傷は遥かに深いわ。支えてあげて」
キョン「………………はい。ありがとう、ございました……」
森「礼なんて言わないで。……最悪の事態が防げなかったんだから」
キョン「……いえ、発見が遅れていたら殺されていたかもしれないから……」
古泉「ここに今日は泊まってください。明日は朝一で鶴屋さんに会うべきです」
キョン「……すまない、古泉。だが……」
古泉「今は、何も考えず鶴屋さんの隣にいてください。涼宮さんのことは、僕たちが何とかします」



三十分後。
古泉「朝比奈さんが犯人……!?」
森「主犯じゃないけど立派な共犯よ。眠らせた鶴屋さんを強姦した連中に渡したんだから」
古泉「……どうして、そんな事したんですか……?」
みくる「………………」
古泉「朝比奈さん!」
みくる「……禁則事項です」
パァン!
古泉「あなたは、それで、全て済むと思ってるんですか!?」
森「落ち着きなさい、古泉」



古泉「しかし……!」
森「朝比奈さんは未来人の末端……最も割に合わない仕事を押しつけられる下っぱよ。憤りをぶつけても仕方ない……ぶつける価値も無いわ」
みくる「………………」
森「誰に命令されたのか、言ってくれないかしら」
みくる「禁則事項です」
森「……素直に話してくれないと、痛い目を見る事になるわよ」
みくる「尋問と拷問を一週間ずつ、交互に行うんですよね」
古泉「なぜ知ってるんですか?」
みくる「聞きましたから。あたしは鶴屋さんと同じように男性に陵辱されている最中に発狂するそうです」
古泉「……それを承知で動いたんですか?」



みくる「わたしの私情で未来を変えるわけにはいきませんから。発狂した後で救出されてからは、それなりに充実した人生みたいですし」
森「……見事なプロ意識ね。ほれぼれするわ」
みくる「そんな立派なものじゃないです。両親が人質に取られているから、仕方なく従っているだけです」
森「そう。古泉、まだ何か言いたい事はある?」
古泉「……ありません」
みくる「古泉くん」
古泉「……何ですか?」
みくる「今まで色々ありがとうございました。あたしが言うのも変ですけど、涼宮さんのこと、お願いします。キョン君と鶴屋さんには『申し訳ありませんでした』と伝えてください」
古泉「……あなたが直接いえば良いんじゃないですか?」
みくる「鶴屋さんには二度と会えません。キョン君には会えるけど、そのときは今の私とは違う私です」



翌日。学校。
古泉「長門さんは全部、知ってたんですか?」
長門「全部とは?」
古泉「彼が鶴屋さんと付き合った結果こうなることや、朝比奈さんが鶴屋さんに接近した理由です」
長門「知っていた」
古泉「なぜ一言だけでも警告してくれなかったんですか?」
長門「わたしの役目は観測だから」
古泉「………………」
長門「今回の騒動でSOS団は激しく揺れ動いた。間違いなく涼宮ハルヒは動揺する」
古泉「……そのために、傍観したと……?」
長門「そう」



古泉「朝比奈さんは二度と帰ってきませんし、鶴屋さんは死ぬまで癒えないかもしれない傷を負いました。それを何とも思わないのですか?」
長門「思わない」
古泉「………………」
長門「あなたは忘れているかもしれないが、わたしは情報統合思念体に造られた対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース。人間じゃない」
古泉「忘れてませんよ。何が言いたいんですか?」
長門「わたしにとっては涼宮ハルヒのみが観測する対象。それ以外の人間はどうでもいい」
古泉「涼宮さん以外にも大事な存在がいるんじゃないですか? 情報統合思念体ではなく、あなた個人にとって」
長門「……否定は、しない」

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